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セラピストとクライアントのコミュニケーションを表す図式(ユング)

たぶん今まで書いていない、とても大切な話です!

ユングは男女の間におけるコミュニケーションでは、少なくとも4つのキャラクター、すなわち男性の自我と女性の自我、さらにそれぞれの内なる異性が関わっているとした。(CW16, par.422.) ここで提案されている図式は、分析家と被分析者(セラピストとクライエント)のコミュニケーションを表すのにもよく使われる。

借用図式にとーなんが番号を振った
  1. 分析家(Analyst)と被分析者(Analysand)の意識的なコミュニケーション。主に言語によるもの。
  2. 分析家と被分析者の無意識的なコミュニケーション。
  3. 分析家自身の内で起きている意識と無意識の対話。
  4. 被分析者自身の内で起きている意識と無意識の対話。
  5. 分析家の意識的なメッセージが、被分析者の無意識に届いたり刺激したりする、また逆に、被分析者の無意識的なメッセージが分析家の意識に届いたり刺激したりする。
  6. 被分析者の意識的なメッセージが、分析家の無意識に届いたり刺激したりする、また逆に、分析家の無意識的なメッセージが、被分析者の意識に届いたり刺激したりする。

これらの6つの組み合わせに双方向あるので、12のコミュニケーションが複雑にからみあいながら交流が行われる分析的な関係では、分析家がこのことに自覚的であることがとても重要である。

分析家になるための長いトレーニングはこのために必要不可欠ですが、当然のことながら資格を持っていることイコールこの複雑な全体像をきちんと把握できるというわけではありません。わたしの場合は、とくに自分自身のコンプレックスや闇の部分には無自覚になりやすいことを日々感じています。

図の中のwounded(傷ついた人)とかヒーラーという言葉も気になります。

傷を癒すために分析を受けにくる人にとって、分析家の役割はヒーラーとも言え、それが矢印1ですが、分析家にもまた自身の傷があり、無意識レベルで被分析者によって癒されるということは多々起こります。それが矢印2です。傷ついた人の無意識にはヒーラーがいるのです。このことに無自覚でいると、分析家が自分の傷を癒すために被分析者を利用したり、傷つけたりしてしまうことになりがちです。

もっと書きたいのですが、ぐっと我慢します。わたしのブログはやたらに長くなりすぎるので、短く切り上げる試みを実施中です。

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