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夢分析の落とし穴(山中康裕)

650文字。

夢は我々にとって貴重な情報を提供してくれるものであるが、普通の人がそこに過剰な意味づけを施したり、また自己流に間違った解釈をすることは、かえって自我の健康さを損なうという危険をはらんでいる。スキューバ・ダイビングにたとえてみれば分かりやすい。スキューバ・ダイビングでは、技術が伴わないうちに一人で潜ることは大変に危険である。正しい技術と知識を持った専門家と一緒でなければ、海中の様子に見とれているうちについ時間を忘れ、方向や深さを見誤って溺れてしまう。夢分析もそれと同じことなのである。
(中略)
一般に、ユング派の臨床家はすぐに夢分析などというオカルティックなことを行うと、誤解されることが多々あるが、真に専門的な治療者であればあるほど、初めから夢分析に手をつけることはない。
(中略)
夢は健康の度合いを示す一つの尺度であるという科学的な認識と、夢は心の奥底につながるパイプであるというユング的な理解の、両方をバランスよく活かしていくのが、学問としての臨床ユング心理学なのである。

山中康裕「臨床ユング心理学入門」

決して脅かそうというわけではありませんが、一応、念頭に置いておいてください。

ダイビングといえば、わたしも夢分析がダイビングのイメージに重なると感じ、2011年に見つけてご紹介した動画がありますので、よろしければご覧ください。バックミュージックもイイ感じです。
夢分析は無意識へのダイビング


※Image by ScandinavianStories from Pixabay

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