ミッドライフ・クライシス

ユングは、ミッドライフ・クライシスを人生の午後へ移行する時期だと捉え、「生の転換期(独語:レーベンスヴェンデ)」、つまりこれまでとは違った生き方を模索できるチャンスだという意味で肯定的にさえ考えました。

まったく準備ができていない状態で、我々は人生の午後に足を踏み入れる。さらに悪いことには、我々は、自分たちがこれまで知っている事実や理想が、これからも引き続き通用するものだという間違った前提をもってこの一歩を踏み出すのである。しかし、我々は、午前中の人生のプログラムに沿って午後の人生を生きることはできない。なぜなら午前中に素晴らしかったものは、午後にはつまらないものであり、朝には真であったことが、夜になると偽になっているからだ。

カール・グスタフ・ユング

ミッドライフ・クライシスのカウンセリング

具体的には、以下のようなことに焦点を当てながら、これまでの生き方を見直すことになります。

●今までの価値観は、本当に自分のものなのか。自分にとって本当に大切なこととは。

●自分に課された役割を離れたところで残るものはなにか。

●過去に情熱を持って取り組んだことはなんだったか。

●孤独を受け入れ、内面に目を向けて見えてくるものはなにか。

ミッドライフ・クライシスを乗り越えようとする過程で多くの人が体験することのイメージは、「夜の海の航海(night sea journey)」にたとえられます。心が暗闇の中にあって、出口の光が見えず長らく低迷する状態ですが、航海がそうであるように、いつかは闇の世界から脱出する時が来ます。

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