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バリキャリ女子のいばら道とユング心理学のアニムス

(最終更新日:2021/5/3)「アニマ」と「アニムス」は、ユング心理学の中でとても重要な基本用語のうちのふたつである上、「アニムス」はわたし自身が長年格闘しているテーマにも関わらず、わたしはブログを始めて16年、たぶんこれまで一度もこの言葉に触れなかった。その理由のひとつは、自分でなんとなくわかったような気にはなっていても説明するのは難しすぎるからで、もうひとつの理由は、言いたいことがあまりにも多過ぎて、とてもまとめられそうな気がしないからだった。

そんな、わたしには荷が重いために敬遠してきたアニムスについて実にさらりと紹介してくれている記事を教えてもらったので、手始めにこの記事を引用させてもらいながら「女性のこころの内なる異性」である「アニムス」についてのアウトプット作業に着手したいと思う。

「アニムス」の課題や問題は、キャリアウーマンに限らずすべての女性に関わるが、この引用記事ではキャリアウーマンに焦点が当てられている。この機会に最近覚えた「バリキャリ」用語についても調べてみた。(全2ページ3,500文字)

バリキャリ女子のいばら道とアニムス

以下、大美賀 直子氏の「力と知性に目覚めた女性が”いばらの道”を歩むわけ」(2014/12/24)を紹介する。見出しはとーなんがつけたもの。

バリキャリぶりはアニムスの現れ

アニムスが表す男性性とは、論理性や合理性、厳格さや勇ましさなどの男っぽさをイメージさせるもの。このように、一般的な女性の持つ「女らしさ」と対をなす男性的な心の機能が女性の無意識の中に秘められていると、ユング心理学では考えられています。

大美賀 直子

女性が闘争的にバリバリ働いて、妥協を許さなかったり、厳格なルールや目標で自分や家族を縛り、例外を許さなかったりするとき、その態度は男性的といえ、アニムスの特徴が強く現れていると大美賀氏はいう。これらは無意識に潜む男性性によって突き動かされている行動だとも言える。

また、こうしたバリキャリ女子が、“寿退社”や“専業主婦”といった、いかにも女らしい人生選択を軽蔑することも少なくないのだが、それはアニムスの働きによって、女性らしさに留まる生き方に過剰に反発しているからではないかとも大美賀氏は言っている。

ユング心理学では、このようにバリキャリ女子が専業主婦に軽蔑的な感情をもつ場合、それは専業主婦がバリキャリ女子の「影」であるからだという説明をします。

「女性らしさ」は“優しさ”や“豊かな感性”などの優れた特性にあふれていますが、それだけでは社会の中で生きるには、頼りないものです。とはいえ、「強い男性」に頼って生きるのは不安定で、その生き方では男に傷つけられ、支配されるリスクも伴います。そこで、女性は心に潜むアニムスを開花させ、男性の特徴を取り入れながら、力強く生きていきたいと願うようになるのです。

大美賀 直子

ひとつだけ言わせていただくと、「心に潜むアニムス」は無意識の領域にあるため、意図的に開花させることは難しいかもしれません。

バリキャリ女子のいばら道

大美賀氏は、しかし、女性が男性の特徴を取り入れながら力強く生きていく道は険しく困難に満ちているという。

1. 男中心の闘争的な現場で男並みに働き、男社会の規範の中で生きていくのは、肉体的にも精神的にも疲弊する。

2. 男と肩を並べて頑張る姿は、生意気に受け止められることも多く、厳しい環境、厳しい視線にさらされる。

3. 家庭をもっている場合、男性的なルールや理屈で家族を縛りつけたり、合理性を追求していくことで、家庭から安らぎが消えてしまうことも少なくない。

4.「頑張れば頑張るほど煙たがられ、敬遠される」という悪循環に陥る。

5. 男性性は、甘えや妥協を許してくれず、アニムスに目覚めた女性は、中途半端にその道を降りることができず、突き進むしかない。

まったく、この通りだと思います!

アニムスの統合がもたらすもの

記事の最後で大美賀氏は、「女は女らしく」も「男に負けない」もどちらも”偏狭な価値観”であるとして、そこから脱するための鍵がアニムスの統合にあると説明してくれている。

アニムスを統合し、強さと知性を身につけた女性には、真の充実感と満足が待っています。苦境の末に人生を洞察する力を得れば、「女は女らしく」とか「男に負けない」といった偏狭な価値観に留まらず、女性的な面も男性的な面も統合した深い人間性を築くことができるからです。

こうした深い人間性にたどりついた女性には、アニムスを統合する以前に見られがちな焦燥感も切迫感も傲慢さもありません。柔らかさと厳しさ、感性と論理性、優しさとけじめとが同居した統合された人間へと成長し、その姿は周囲から深い尊敬を受けるようになります。

無意識に潜む「アニマ」や「アニムス」を統合させて、より深い人間性を目指していくという点では、男性も女性も変わりはありません。既定の“男らしさ”や“女らしさ”にこだわらず、それぞれの特性を統合させた究極の人間性を目指していきませんか?

大美賀 直子(原文を一部とーなんが改変)

これはまさしく個性化への道ですね!

 

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