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飼い犬の心、飼い主知らず:投影による大いなる勘違い

ドッグトレーナー鹿野氏への反論 by Kちゃん

とーなんさんが記事にしているのを見て、改めて考えた。

ドッグトレーナーの鹿野氏の言ってることはそんなに間違ってはいないだろうけど、すべてに断定しているのは間違っていると思う。

1.犬の短期記憶は最大120秒で消える。
2.犬は人に嫌がらせしないし、できない。
3.犬は反省しない。
4.犬に忠誠心はない。犬同士の助け合いと同じことを飼い主にしてるだけ。
5.忠犬ハチ公は焼き鳥が欲しくて駅にいただけ。

このような断定は、私と犬との付き合い(ただし私は犬を飼ったことはない)からおかしいと直感する。鹿野氏とわたしの個別の事柄に対する定義の違いだけなのかもしれないので、それなら議論にならないわけだけど、一応、ひとつひとつに対するわたしの反論はこうだ。

反論

1.120秒で完全に消えるか、それがいくらか長期記憶に移行するかは実験しないとわからない。ただしその実験は難しいと思う。

2.私は犬が状況的に見てウンチで嫌がらせした例を知っている。鹿野氏は「犬はうんちを汚いと思っていない。故にうんちを嫌がらせに使えない。証明終わり」としているが、さーてそれはどうかな?人間が何を嫌うかの察知能力は相当あるよ。

3.犬は反省しない。私は犬は「ある程度」反省すると言った。つまり犬の反省と人間の反省の質が違うことは承知している。

4.犬に忠誠心はない。これは鹿野氏も言ってるけど定義の問題でしょ。私に言わせれば「犬には忠誠心はある」。

5.焼き鳥が欲しかっただけ。それはそうかもしれない。しかし元の飼い主に100%忠誠心が残っていなかったかどうかはハチ公しか知らない。

わたしの学生時代の恩師に、飼っている亀と心が通じ合っている心理学の教授がいました。ちょうど「呼べばくる亀──亀、心理学に出会う」(誠信書房、1991)という本まで出版されたところで、その本もいただきました。

「呼べばくる鯉」も知っています。イギリスで生活していたときの借家の庭の池の鯉ですが、イギリス人の大家さんが呼ぶと、餌をあげるわけでもないのにどこからか現れて寄ってきてました。

鯉を呼んで子どもに見せる大家さん(2018)

この大家さんはイヌも5匹飼っていて、そのうちの1匹がこの家のバイク野郎と相思相愛の仲でした。彼がツーリングに出かけている間は、このイヌは明らかに沈んだ様子で、食欲もありませんでした。

名犬ウイリアムの思い出 by Kちゃん

私は犬を飼ったことがないから、犬との接点は少ないが、美女木の彩湖脇の公園で犬の里親会が開かれると聞いて行ったことがある。

行ってみるとかなり大規模で、犬種ごとに公園のあちこちにブースがあった。

ボーダーコリーのブースはかなり広いドッグランになっていて、2匹の里親待ちがいて名前をウイリアムとアトムと言った。

どうぞ遊んであげてくださいと言われたので、私はウイリアムといっしょに並んで歩きだした。こちらは一計を案じて鬼ごっこをしようと思いたった。つかまえようとポーズを取ると一瞬で理解してぱっと逃げる。もう超人的運動能力で絶対に捕まえられない。捕まえるのは不可能だ。それでこんどはおいでというとおとなしくやって来る。そこで里親会の係の人のところにいっしょに戻り始めた隙をついて捕まえようとすると、さっと察知して、またまた捕まえるのは不可能状態になる。

それでいて、呼んだらすぐ来る。フリスビーも得意でほれぼれする運動能力だった。

里親にはなりたいと言ってすぐなれるわけでなく、希望すると、里親会の人が飼育環境を見に来るそうで、それで問題がなければ里親になる許可が出る。係の人は、たくさん遊んでもらってウイリアムはご満悦だと言っていた。

家に帰ってからボーダーコリーの飼い方を調べたけれど、運動能力がすごいから1日8キロの散歩がないとストレスがたまるそう。
しばらくウイリアムといっしょに毎日8キロの散歩をする自分を想像して楽しんだ。

あれから15年ほど経っている。当時5歳だったウイリアムは良い里親を見つけることができたのだろうか。

(オバケのKちゃん、記)

5歳になってもこんなに慎重に里親を選んでもらえるなんて、前ページでモオさんに教えていただいたイヌたちと対照的ですね。市場価値が高くて大事にされる血統書つきの人気犬種もいれば、殺処分されるその他大勢の犬がいると思うと複雑な気分になります。

天皇家で飼われているイヌは、雑種で保護犬ですよ。

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