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村上春樹「1Q84」抜粋と注釈:脳みその纏足(テンソク)、ユング、カルトなどなど

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ユング心理学に詳しい読者からの村上春樹考

20年以上前に読んだ「ノルウェーの森」だけしか読んでいないのですが、私はこの方とどうも相性が合いません。
自分の見た夢をストーリー展開のネタとしているのではないか、当時そんな印象を受けました。

その後、河合隼雄先生と対談した書籍、「村上春樹、河合隼雄に会いにいく」というものが出版されているのを知り、村上春樹氏はユング心理学に影響を受け始めているらしいと知りました。しかし彼には興味がなく河合先生との対談は読んでいません。

更に時間が経ち10年くらい前でしょうか、雑誌か何かの記事、対談形式だったか詳細は忘却の彼方なのですが、その記事によると彼は作品を書く際にアクティヴイマジネーションを使っていると言っていたのを記憶しています。ちょうど私もアクティヴイマジネーションをしていた時期で彼の作品のストーリー展開の謎が氷解したようにその時感じました。

あくまで私の直観であり推測の域を脱していませんが、アクティヴイマジネーションで得られたメッセージや無意識からの奇想天外なストーリー展開を、無意識と対決し十分な折衝をせずして、そのままネタとして利用しているのではないかと疑念をもちました。もし彼が無意識と対峙し深く沈潜して元型と少しでも関わっていれば、その作品には叫びたしたくなるような深い感動、ヌミノースが自ずと表出してくるはずです。しかし世間の書評や とーなんさんの今回の引用から感じ取れることは、彼にはまだまだ深い体験と変容が得られていないと直観します。

ろくに氏の作品をも読んでもいない私の勝手な推測で氏をこき下ろすことになりますが、彼は深い体験・変容を得ずして自分の無意識からの謎めいたメッセージを売り物にしてお金を稼いでいるのではないか、そんな印象をずっと持ち続けています。

二郎

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