Contents
付録:変ホ長調先生の「調の世界にようこそ!」
調の世界にようこそ!
調の世界にようこそ!
調はとっても面白い世界だと思います。
調の世界に新しいお客様が来てくれたらとってもうれしいです。
では解説を始めますので、下の図を見ながら聞いてくださいね。
●外側のアルファベットが長調(【1】)、 内側のアルファベットが【1】の平行調=短調です。
●内側のアルファベットには「m」がついていますが、 minor(短調)の略です。
アルファベットは、その調の主音です。
〈外側Cの場合〉 ハ長調(主音C=ハ)と イ短調(主音A=イ)は 同じ調号(♭0、#0)
〈外側Fの場合〉 ヘ長調(主音F=ヘ)と ニ短調(主音D=ニ)は 同じ調号(♭1)
どの長調にもこの平行調(調号の同じ短調)と、さらに同主調(主音が同じ短調)があり、それらが連結しています。
〈外側C(ハ長調)の場合〉平行調はイ短調で同主調はハ短調。
●変イ長調(A♭)を例に取ると、 平行調はヘ短調(Fm)、同主調が変イ短調(A♭m)、 さらに、属調である変ニ長調(D♭)と下属調である変ホ長調(E♭)があり、変イ長調の回りのこの4つの調が近親調(関係の深い調)です。
変イ長調の楽曲であっても、 最初から最後までずっと変イ長調ということはなくて、 フレーズ単位で見れば必ず近親調のどれかに転調しているものです。
オバケのKちゃん、早速、さきほど(前ページ)の「ベートーヴェン交響曲5番ハ短調」の例を検証してみてください。
えっと、ハ短調(E♭)で始まって、第二楽章で属調の変イ長調(A♭)になって、第三楽章ではまたハ短調(E♭)に戻り、終楽章は同主調のハ長調(C)で始まって、元のハ短調(E♭)で終わる・・・ほんとだ、近親調にしか転調されてない!
ちなみに変イ長調(A♭)を例にしたのは、わたしの”調判断”によると、とーなんさんはこれに属するからです。
とーなんさんはC調でしょう、という声も聞こえてきそうですが・・・。
みなさん、おつかれさまでした。
調の世界に来てくださって、本当にありがとうございました。
ショパンの前奏曲とバッハの平均律クラヴィーア曲集は24調で書かれていますので、ぜひ聴いてみてくださいね。
バッハの「平均律クラヴィーア曲集」
平均律クラヴィーア曲集(原題:独: Das Wohltemperirte Clavier、現代のドイツ語表記では独: Das Wohltemperierte Klavier)は、ヨハン・ゼバスティアン・バッハが作曲した鍵盤楽器のための作品集。
1巻と2巻があり、それぞれ24の全ての調による前奏曲とフーガで構成されている。
第1巻 (BWV 846〜869) は1722年、第2巻 (BWV 870〜893) は1742年に完成した。バッハのこの曲集は、現代においてもピアノ演奏を学ぶものにとって最も重要な曲集の一つである。ピアニスト・指揮者のハンス・フォン・ビューローは、この曲集とルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンのピアノソナタを、それぞれ「ピアノの旧約聖書と新約聖書」と呼び、賛賞した。
第2巻の『前奏曲とフーガ ハ長調 BWV870』のグレン・グールドによる演奏の録音は、人類を代表する文化的作品の一つとして、ボイジャーのゴールデンレコードに収録されている。
原題の”wohltemperiert(e)”とは、鍵盤楽器があらゆる調で演奏可能となるよう「良く調整された(well-tempered)」ことを示し、本来は平均律を含む転調自由な音律を広く意味するが、和訳では「平均律」がいまだに用いられている。
ウィキペディアより抜粋して編集
ショパンの「前奏曲」
フレデリック・ショパン作曲の前奏曲(Prélude)は、ピアノのための作品。24曲の前奏曲から成る曲集と独立曲2曲の、計26曲である。
ウィキペディアより抜粋して編集
前奏曲とはいっても、何かの前奏ではなく、J.S.バッハの平均律クラヴィーア曲集にある前奏曲のような作品、というような意味である。バッハの前奏曲は、形式にとらわれない自由な転調、劇的な展開を見せバッハの時代には革命的な内容であった。また24の調を使用するというのも前例のないことであり、ショパンが前奏曲と銘打ったのは作曲者への敬意だけでなくその革新的な内容に挑もうという意図があったものといえる。
24曲がすべて異なる調性で書かれているが、J.S.バッハの平均律クラヴィーア曲集と曲の配列は異なっており、ハ長調 – イ短調 – ト長調 – ホ短調 …と平行短調を間に挟みながら5度ずつ上がっていくという順序になっている。ラフマニノフ、スクリャービン、ショスタコーヴィチも後に同様な前奏曲集を創作している。
アンコールピースとして個別に演奏されることもあるが、現在ではむしろ24曲全体で一つの作品と考える考え方が主流であり、全曲通して演奏されることが多い。また曲の構成もほとばしる感情をむき出しにするものもあれば、優雅さや穏やかな心を感じさせるのもあり、全曲通して聞いていても聴衆に単調さを感じさせない。演奏時間は全曲で40~45分程度。