Mario Jacoby
1925.8.27 – 2011.10.1(享年86歳)
マリオ・ヤコビ、2005年
ユング派分析家の重鎮の訃報が届きました。マリオ・ヤコビは、ユング(1875 – 1961)から直接指導を受けた、生存する、数少ないユング派の分析家でした。
2011年10月1日、スイスのホスピスで、安らかに息を引き取られたということです。
最晩年まで、ISAP国際分析心理研究所(スイス・チューリヒ)で、分析家の育成に尽力をそそいだ氏は、香典を、ISAPの学生基金へ寄付したい由の遺言を残していたそうです。
埋葬と葬儀は、2011年10月7日14時より、スイス・チューリヒのFriedhof Zollikonで行われます。
マリオ・ヤコビー(Mario Jacoby)
1925年、ドイツ・ライプチヒに生まれる。6歳のとき、スイスに移る。パリやロンドンで音楽家を志し、コンサート・バイオリニストを職業としていたが、のちに心理学者に転身。1964年、39歳でチューリヒ大学で博士号、さらにチューリヒ・ユング研究所でユング派分析家の資格を取得。チューリヒで個人開業のかたわら、ユング研究所(2004年からはISAP国際分析心理研究所)の講師、教育分析家として、分析家の育成に力をそそいだ。1970年~1979年、スイス分析心理学会の会長を勤める。著書多数。邦訳されている著書に、「分析的人間関係―転移と逆転移」(創元社)、「楽園願望」(紀伊国屋書店)、「恥と自尊心―その起源から心理療法へ」、「個性化とナルシシズム―ユングとコフートの自己の心理学」、「悪とメルヘン―私たちを成長させる“悪”とは?」(共著)などがある。