2025年11月29日、ストックホルムでスウェーデンC.G.ユング財団主催の「ミドル・パッセージ」の講義(スウェーデン語)があり、財団始まって以来の聴講者数を集めて主催者を驚かせた。

J.ホリスの「ミドル・パッセージ」
講義内容は、アメリカのユング派分析家、J.ホリスの同名の書籍「ミドル・パッセージ」に基づいていた。21ヵ国語に翻訳されているこの本は、Amazon.comのユング心理学関連の売り上げランキングで、ユングの「赤の書」を差し置いて一位になっていた。

スウェーデンでは絶版になっていたが、最近復刻版が出版されている( “Vid Livets Mitt” 2025)。
とーなん日本語版も、現在絶版になっています。
セミナーの概要
以下は「ミドル・パッセージ」の講義内容の紹介ページのAI訳をとーなんが修正したもの。
多くの人にとって人生の半ばがこれほど大変な時期となるのはなぜなのか。なぜその時期なのか。中年危機について語られるのはどのような理由からか。そのような経験に何か意味深いものがあるのだろうか。
ミドル・パッセージは、私たちの人生を再考し、「私の歴史やこれまで演じてきた役割を取り除いたら、私は一体誰なのか」と問う機会を与える。それは個性を再定義する好機である。
J.ホリス「ミドル・パッセージ」より
「ミドル・パッセージ」は、青年期の延長であった成人期と、老化や死に直面する老年期の中間にある大切な通過儀礼となり得る。
「ミドル・パッセージ」は、たんに時間的な意味で中年期にあるということではない。
それは一般的には、現実認識を根本的に問い直すことを強いられるプロセスを指し、内的な葛藤、仕事や人間関係での困難、あるいは外的な喪失体験によって引き起こされる。
それは、自分自身のそれまでの適応パターンを問い直すこと、家族や文化が押し付けた脚本を書き直すこと、心のオペレーティングシステムを見直すこと、無意識に受け入れている信念や思い込みを積極的に疑ってみること等の無意識的な欲求の表れでもある。
もし人生が、周囲の善意ある人々から受け取った模範や指示に従うだけで、意味深く生産的なものとなるなら、どれほど単純だろうか。
しかし、我々一人ひとりの深層に潜む何かは、それだけでは満足しない。それは、癒しを求めると同時に、世の中で我々がそれを表現することを要求する。
結局のところ、親や文化が我々に求めるものではなく、魂が我々に求めるものこそが本質だからである。
本セミナーでは、わたしたちが共通に抱えているいくつかの未解決の問いを議論しながら、わたしたちの人生に最も深い意味を与える、わたしたち自身の内なる深遠な部分との対話へのきっかけが提供できればと思っている。
講師 M.ピーターズ(Manfred Peters)
人生のステージを表す北欧の寓意画(1831)
「ミドル・パッセージ」の講義の紹介ページに掲載されていた絵が気に入ったので、調べてみた。


1831年にフィンランドで制作され、デンマークのコペンハーゲンに所蔵されていた木版画で、「北欧で当時の民俗・人生寓意画として流通した一例」とのこと。
子供の10歳から始まり、20歳は同性の友人とわいわい楽しんで、30歳で身を固め、40歳まで夫婦で、ピークの50歳からのイメージはひとり。60の太腹が70では萎んでいるのは、自分の両親もそうだった。
AI調べによると、当時、北欧人(フィンランド、スウェーデン、デンマーク、ノルウェー)は、成人まで生き延びれば50〜60歳まで達する者も多かったとはいえ、産業革命初期の高い乳幼児死亡率のために、平均寿命としては、男性35〜40歳、女性37〜42歳程度だった。北欧は、衛生・栄養状態がよかったためヨーロッパ全体の平均寿命(30〜35歳)を上回っていて、徐々に寿命が延び始めた時期だという。約200年も前のそんな時期に、100歳までのイメージを、人々はどのような思いで見ていたのだろう。版画の100歳は、杖を置いて祈っている。





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