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ボーカロイド世代が大人になって作った曲「命に嫌われている」

最終更新日2023/1/22
一度聴いたら一日中、頭から離れなかった歌の紹介。NHK紅白歌合戦(2021)でもこういう曲が流れる時代になっているとは知らなかった。2,200文字。

うるさいし、とーなんさんの趣味には絶対合わないと思うのですが、とても深いところで寄り添ってくれている歌なので、ぜひ聞いてみて欲しいです。

最近は、カラオケでもボーカロイド(ボカロ)の曲が多いそうだが、中・高年のみなさんには馴染みがないかもしれないので、ボーカロイドの説明から始めたい。

日本に住んでいれば、老人以外は誰でも知ってますよ。

そうなんですね。わたしはつい最近、日本の高校生から教えてもらって知ったばかりです。

ボーカロイド・ボカロP

VOCALOID(ボーカロイド)は、ヤマハが開発した音声合成技術、及びその応用製品の総称で、略称、ボカロ。今から20年前の2003年2月に発表された。

「vocal(ボーカル)」に接尾辞の「-oid」を組み合わせて作られた造語であるが、「ボーカル・アンドロイド=VOCALOID(ボーカロイド)」と説明されることもある。

メロディーと歌詞を入力することで、人の声を元にした歌声を合成することができる。

VOCALOIDを使用した楽曲はボカロ曲、VOCALOIDを使用して楽曲を作る作曲家はボカロPと呼ばれる。

ウィキペディアより

ボカロキャラ(ボーカロイド・キャラクター)

ヤマハからライセンスを得た各社が、人間の声からサンプリングした歌声の断片を含んでデータベース化して歌声ライブラリ(Singer Library)を作るが、その歌声が擬人化されて、ボカロ曲を歌うバーチャル・シンガーたちはボカロキャラと呼ばれる。

もっとも有名なのが初音ミク16歳。身長158cm、体重42kgとのこと。

日本の女の子の理想体型でしょうか。痩せ型ですね。

初音ミク

初音ミクというソフトウェア(2007年に開発)に、メロディと歌詞を入力すると、このバーチャル歌手が歌ってくれるというしくみ。

ブブー。歌手ではありません。シンガーでなければ「歌い手」と呼ばれます。ここ大事なので気をつけてください。

商標登録されているヤマハのボーカロイドや各社の公式キャラクター以外にも、ボーカロイドに似たような無料のソフトウェアもあって、誰でも(厳密な定義はさておいて)ボカロ曲を作ってボカロPになれるようだ。(とーなんの理解)

ボカロPのカンザキイオリ

「命に嫌われている」という、題名も歌詞もショッキングな歌を作詞作曲したのはカンザキイオリ、1997年生まれ。

中学2年生でボカロにはまったカンザキだが、その頃から学校に行く意味がわからず不登校になっており、家庭もうまくいかず、周りには理解者がいないという感覚があったという。

学校とか全ての環境から逃げたかったのかなと思います。
それで、逃げるように目標がないまま上京してきてしまったので、その当時は、生きる意味が全然わからなくなってしまったんです。

カンザキイオリ

2017年(20歳)、地元、岩手県から上京して間もない時期に、”ダラダラと”アルバイト生活をしながら作った曲が「命に嫌われている」だった。

当時、世の中にたくさんある明るい曲にすごいムカついていたんです。「僕はこんなに苦しくて悲しいのに、そんな歌ごときで明るくさせられると思ってるの?」って。いま思うとすごく自分勝手ですよね(笑)。
そういった歌が流行っている意味も全然わからなかったです。1番の歌詞は、そういった怒りを込めていました。

カンザキイオリ

「命に嫌われている」の評価

●飯田一史:他の曲と共に「生きづらさやきれいごとへの反発を直球で、字余り気味に吐露する」、「思春期のささくれだった心を撃つ」と評価。(講談社現代ビジネス)

●KKBOXの山本雅美:閉塞的な社会・学校で生活する若者の言葉にできない声に同調して光を与えている、と評価し、本作が支持されている理由を考察している。
ウィキペディアより)

命に嫌われている/初音ミク

最初に歌ったこのボーカロイドの初音ミクより、カバーしたまふまふさんの歌唱力にもっと感染力があると思います。歌を作ったカンザキイオリさんよりも、ずっと痛みを知って表現しているんじゃないかと感じられるぐらいです。

ボカロについては、その性能の限界から人の様に自然には聞こえないので、それを個性と言うには感性が乏しすぎると思う。

感覚としては、最高レベルの歌唱技術を持つ人と比べれば、ボカロができることは、人ができることの1/100にも満たない感じ。このことが、たとえ音楽のプロでなくとも、何となく自分でわかることが大事だと思う。違う分野でも何かしらの道を極めれば、最高峰を見極める道は拓けるはず。

カンザキイオリさん本人も歌っているようですね。

命に嫌われている/まふまふ

「命に嫌われている」は、2021年のNHK紅白歌合戦でアーティストのまふまふに歌われた。

まふまふ(白組の男子)

思わず「死にたい」と口ばしってしまったときに教えてもらった歌です。辛いことや大変なことがあまりにも一度に積み重なって、心の中で暴風雨が吹き荒れて、どうしても鎮まらない荒波の中にいたときでした。最後の「生きろ」が応えましたね。

※その他の参考サイト:
Guiano×カンザキイオリ「Love & Music」対談 〜創作論と二人を巡る物語〜 (後編)

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