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ライラックの咲く爽やかなスウェーデンの初夏:戦争の緊張感なし

(近況890文字)

ウクライナで戦争が起きているので地続きのスウェーデンも大変だろう、日々、不安なことだろうと日本在住の方からよく心配していただくのだが、物価がじわじわと高騰している以外には今のところ影響はない。物理的には対岸ではないのだが心理的には戦争は対岸の火事で、表面的には平和そのものだ。

ストックホルムのとある通り(2022年5月6日平日の夜8時過ぎ)

コロナ中もそうでしたが誰もマスクをしていないので、コロナ前とまったく変わらない風景ですね。

夜の10時まで明るい5月の北欧は例年どおりもうすっかり夏休みムードで、人々は浮き足立っている。この国で暮らし始めて12年半になるが、今だにこの季節になると、ついこの間イースター休暇だったばかりなのに早くもこんなにバケーションムードでいいのだろうかとうろたえてしまう。人々の長期休暇が始まるのは6月半ばからだが、たとえば5月末のこの週末は4連休だったので、夏休み前のプチ旅行で外国まで出かけた知人も多かった。

”ライラックと銀モクセイの間”

ライラックの花が咲いている今の季節は、スウェーデン語で「ライラックと銀モクセイの間」(”Mellan hägg och syren. ” 英:”Between hawthorn and lilac”.)と表現される。

昔、ある靴屋が店の扉に「ライラックが咲いてから銀モクセイが咲くまでの間は閉店」の札をかけて、休業のお知らせをしたことに由来しているそうだが、スウェーデン人の、いい季節には仕事をしないでのんびりするのが当然という態度をわたしは敬っている。それは、お金持ちの特権なんかではまったくない。

“Stängt”は”Closed”の意

この、人間として健全に感じられる態度は、わたしにはなかなか血肉化されないのでスウェーデン人がうらやましいのだが、「とーなんが外国に住んでいるから」という理由で、わたしを選んでお客さんになっていただいている人たちに、この国のこういう空気と精神を間接的に伝えられたらいいなぁと思う。

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スウェーデンの初夏、「ライラックと銀モクセイの間」Mellan hägg och syren.(2021-7-19)

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