過去記事加筆再掲
現代に生きる男は、その大半が燃え尽き(バーンアウトし)ていて、しかもそれに気付いていない。
“Toward Manhood” 拙訳
成功しているとかいないとかに関わらず、ほとんどの男が、燃え尽き症状に苦しんでいるのである。
抑うつ気分、焦燥感、意欲の喪失、その他、慢性的な身体の不調、過労による疲労感、酒の乱用、強迫的なまでの性欲、家庭や職場での定期的な「爆発」・・・など、その燃え尽き症状の形はさまざまだ。
このような症状が、症状として自覚されにくいのも、我々、男が、あらゆる感情を麻痺させて生きていくように教え込まれていることによる。
男は、ゴールをめざすことが得意だ。男は任務(ミッション)を必要とするのだ。我々は、何千年もの間、戦士であれと教えこまれ、訓練されてきた。
会社や団体や組織から与えられたミッションを遂行している間に、男はまた、深い部分でプログラミングされてもきた。成功という報酬のために、身体や感情を犠牲にし、ただ戦士として数千年間やってきた男たちは、「自分自身がよく生きる」ということにはほとんど関心を払わずにやってきたのである。
男は、自分自身よりも、家族や社会のために生きよと教えられてきた。
社会は、戦士としての男たちに報酬を与え、男たちは、つねに戦闘態勢でいるのである。
最近は価値観も変わりつつあり、若い男性たちの中には該当しない人もいるだろうが、共感する人は多いのではないだろうか。
岩崎宏美の「聖母たちのララバイ(1982)」を思い出しました。”♪この都会(まち)は、戦場だから、男はみんな傷を負った戦士〜♪”
上に引用したのは、”Toward Manhood : Into the wildness of the soul” ―「男になること:たましいの荒野に向かって(とーなん仮訳)」の冒頭。著者のLarry Pesaventoは、アメリカで、男性のためのワークショップを主催している男性セラピスト。
(元原稿の投稿日:2011/9/15)