新刊「十牛図に学ぶ」と著者横田南嶺老師の関連法話動画を紹介。(1,000文字)
日本人の意識について考えると、それは仏教によって強く影響されていると思います。
河合隼雄「ユング心理学と仏教」より
河合隼雄氏がはじめて十牛図のことを知ったのはアメリカ留学時代で、分析家のシュピーゲルマンに見せられて感激したという。
スイスのユング研究所やISAP国際分析心理学研究所では十牛図についての講義があったし、資格取得論文のテーマとして十牛図を選んだ同僚もいた。以前に拙ブログでも十牛図の10枚の絵について簡単に紹介したことがある。
この度、横田南嶺老師によるとても読みやすい十牛図の本が最近出たという耳寄り情報をいただいた。
「真の自己を尋ねて 十牛図に学ぶ」
(致知出版社 2020/8/31)
横田南嶺師の十牛図に関する講義を纏めた本『十牛図に学ぶ』が発売になりました。講義を本にまとめたものですので読みやすいですし、非常におもしろかったのでよかったらぜひご一読ください。
約900年前の中国・宋代に書かれた禅書『十牛図(じゅうぎゅうず)』。
“禅の初心者が必ず学ぶ入門書”として知られる名著を臨済宗円覚寺派管長・横田南嶺老師がわかりやすく紐解きました。
『十牛図』で描かれるのは十枚の絵とそれに対する漢文、漢詩のみ。
牛に喩えた「本当の自分」を探す旅を通じ、人が悟りに至るまでの段階が表されています。
牛を見失った、つまり自分の本心を見失った迷いの状態から、牛を探し、牛の足跡を見つけ、ついに牛と一体となったかと思えば、牛も、自分さえもいなくなる……
そして最後には、牛を探していた山から町に出て、人々に自分の手を差し伸べていく。
この十のステップを通して、〝本当の自分〟とはどこにいるのか。そして、〝本当の自分〟に出逢うためには、どこへ向かえばよいのかということが説かれています。
「同じ心を持っていながら、本心に目覚めたら仏になり、本心を見失えば迷いの衆生となる」と横田南嶺老師。
自分の心に本来備わっている素晴らしさ、内なる宝に気付くためのヒントが得られることでしょう。
アマゾン、内容紹介より
ちなみに、出版に関連して同じテーマで連続的に動画を公開されていますので、こちらもよかったらぜひどうぞ。
■本書について書かれた横田南嶺師のブログ:https://www.engakuji.or.jp/blog/32213/
※冒頭の画像は、鎌倉円覚寺(出典)