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自粛警察は日本人の「影」(ユング心理学)──関東大震災朝鮮人虐殺も

付録:2020/9/12 NHKおはよう日本

-関東大震災から九十七年 コロナ禍でも差別懸念

今朝のNHKニュースで、このコラムで日本人の「影」として書かれていた朝鮮人虐殺の話が、流れましたよー!!

ニュースで取り上げられていた内容は、とくに民族差別に焦点を当てたものだったが、日本で問題となっているコロナ感染者に対する差別とも重ねて考えられると思うので、付録資料として記載する。

以下は、クロムさんが送ってくれた資料より。

【教訓】”関東大震災だけではない” 新型コロナと差別

該当の番組内容は以下のナレーションで始まった。

大正12年9月に発生し、10万人余りが犠牲となった関東大震災、その混乱の中、当時日本の統治下にあった朝鮮半島からの移住者たちが、日本の自警団や軍、警察によって殺害されるという事件が起きました。

しかし、100年近くが経った今、事件の風化を懸念する声が上がっています。悲劇の教訓をどう語り継いでいくのか、現場を取材しました。

2020年9月12日放送のNHK「おはよう日本」より

番組の流れ。
●2020年9月1日に行われた朝鮮人犠牲者追悼式典(50年前から続いている)の様子。
    ↓
●この式典の開催を抗議する団体(昨年、朝鮮半島出身者に侮蔑的な発言をしたとしてヘイトスピーチとして認定された団体)が、今年も同じ敷地で集会を開いたという話。

※参考:朝日新聞デジタル「小池百合子知事が招いた朝鮮人犠牲者追悼式典の異様な光景」2020/9/1
    ↓
●40年前、事件の目撃者に話を聞いて以来、事件の調査を続けている元中学校教員西崎雅夫さんはこれまでに150人分の証言を集めた。「朝鮮人殺しが始まりました。殺されたあと万才万才と喜んでいました。」などの記録を紹介。

西崎さんは、毎年、事件が起きた現場で勉強会を開いているが、有志の高齢化も進んだ上、今年はコロナで参加者が少なかった。

関東大震災の時の朝鮮人というのは、社会的な弱者、災害難民なんです。何かのきっかけのときに、社会的な弱者に攻撃が集中するのがいちばんよくないということを訴え続けています。

国がまとめた報告書によると、殺害の背景には朝鮮半島出身者に対する当時の日本人の無理解ですとか民族的差別意識があったとされています。

人々の差別意識が災害などの混乱の中でどう変化するのか、それを考えることは新型コロナウィルスという危機に直面している今の社会でも大切だと指摘する専門家がいます。

2020年9月12日放送のNHK「おはよう日本」より

災害時の社会心理を研究している東京大学大学院関谷直也准教授は、東日本大震災のときに広がった差別的な発言について調査してきた。

(関東大震災時に朝鮮人虐殺につながった流言の発生は)大正期という過去に起きたことだという見方はあると思うんですけど、必ずしも過去の現象ではなくて、現代でも起こり得る現象だと思います。

今、関谷さんが懸念しているのは、新型コロナウィルスの感染に関連した民族差別的発言。

国内で感染が広がり始めた時期に、横浜中華街では、ひとりも感染者が出ていないにもかかわらず中華街組合に「中国人はとっとと日本から出て行け」などの、心ない中傷の電話が相次ぎ、差別的な言葉が書かれた手紙も複数の店に届いた。

こうした言動の広がる要因の一端は、危機に直面した人間の心理的な不安が関係していると関谷さんは指摘する。

民族間、人種間の対立はふだんから根っこにある。
関東大震災であったり、感染症であったり、そういう風な多くの人がフラストレーションをためるような状況において、そういう差別意識、攻撃というのが相手に向かいやすいといえると思います。

横浜中華街では、先月も通りの門に心無い落書きをされるなど、中傷が続いている。

関谷准教授は、どんな混乱の中にあっても人を差別してはいけないという倫理観を保つことが大切だと語っていました。一部の情報によって、自分自身の考えが流されていないか、わたしたちひとりひとりも問われています。

2020年9月12日放送のNHK「おはよう日本」より

繰り返しになるが、この番組内容自体は民族差別の問題を扱っているものの、新型コロナウィルスという危機に直面し、多くの人がフラストレーションをためる状況において、心理的不安になった人々の攻撃が、社会的弱者としてのコロナ感染者や自粛ルールを守らない人にも向けられている。

「一部の情報によって、自分自身の考えが流されていないか、わたしたちひとりひとりも問われています。」という言葉も、民族差別に限らず、今回のコロナ騒ぎ全般に当てはまる教訓だと思う。

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