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5. ユングによるトリックスターについての記述
以下は、「ユング心理学辞典」(創元社)」からの抜き書き。少々、難解。
トリックスターは、無意味なものを意味深いものに変容させるという点で、エナンチオドロミア※を引き起こす。
※エナンチオドロミア:どのようなものごとも、遅かれ早かれその対極へと向かうという心理学的法則。
トリックスターの行為は意識に対する補償的関係を反映する。
トリックスターのもっとも恐るべき側面は、無意識的であるということだけでなく、関係性をもたないことにもある。
トリックスターは、個々人の劣等な性格特徴を集約した、集合的な影の形姿である。
CW 9i, para.484
トリックスター像の認識はその統合に向けての第一歩にすぎない。その象徴の出現とともに、無意識的、破壊的な原初の状態へと注意が引き寄せられるものの、まだ克服されてはいない。
■アルレッキーノ
「ユング心理学辞典」(創元社)のトリックスターの項目には、アルレッキーノの挿絵が使われている。辞典内の1577年の挿絵は、ネット上で探せなかったので代わりにこれ。

アルレッキーノ (Arlecchino) はイタリアの即興喜劇コメディア・デラルテ中のキャラクターの一つで、トリックスター。
ひし形の模様のついた衣裳で全身を包み、ずる賢く、人気者として登場することが多い。
アルルカン(仏: Arlequin)、ハーレクイン(英: Harlequin)とも呼ばれる。
芸術作品の中では、
●ピカソの「アルルカン」
●チャップリンの「ライムライト」
●ロベルト・ベニーニの映画「ピノッキオ」のマリオネット
●アンデルセンの短編小説集「絵のない絵本」の第十六夜、ブゾーニのオペラ「アルレッキーノ」
などに登場する。
(参考:ウィキペディア)
