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バナナとゆでたまごの苦悩:パートII

「バナナとゆでたまごの苦悩」というタイトルで、エッセーを書いたことがあります。まずは、海外で暮らす日本人のために書いたその原稿の一部をお読みください。

長年の海外生活後、外国語能力をかわれて、日本で仕事を得たAさん。日本語はもちろん、日本人としてごく自然にふるまえます。しかし、職場では、“常識”がないとか、自己主張が強すぎる、態度がでかい、あやまらない、などと批判されてへこむことが多い。こんなAさんは、行動パターンは日本人でも、心的態度は西洋人、つまり「外は黄色、中は白」のバナナ。

一方、日本で生まれ育ち、大学生になってから海外に来たBさんは、外国生活の中で、言語を習得し、行動パターンをまねて、周りに合わせることはできるようになっても、情緒面では、そこまで変わっていない。周りに批判されることこそ少なくても、自分自身の中で、違和感や寂しさを感じます。行動面では西洋人でも、内面は日本人、「外は白、中は黄色」のゆでたまごです。・・・以下略。
(「ストックホルム日本人会 会報2013年春号」より抜粋)

バナナとゆでたまごというたとえは、どこかで読んで、なるほどと思った表現ですが、今回のパート2で書きたいことは、黄色か白かという西洋文化と日本文化のはざまの葛藤ではなく、外見や態度と、メンタリティの間に大きなギャップがある人たちの葛藤です。

ニンジンや大根やトマトのように、切ってみても外から見たまんま、色もいっしょなら硬さもいっしょという人は、周りも本人もわかりやすいのですが、スイカのように、強烈な個性の外見の中が、全然違う色と感触だったりすると、周りはその人の「イメージ」を書き直さなくてはいけないし、本人は、外から中を想像してもらう術がありません。

カボチャのように、かたい皮をえいやっと切ってみたら、中は意外とやわらかいということもあれば、梅干しのように、やわらかいと思って安心して食べていたら、硬いタネが出てきて、イテテテ・・・ということもあります。

イガイガのトゲの中にさらに硬くて頑丈な皮があり、でもその中に、やわらかくて、外見のいかめしさに比べると案外ふつうで素朴な実の隠されているイガグリは、社会で活躍している人の中に多いタイプかもしれません。

ランブータンのように、一見、痛そうなトゲで覆われているかと思いきや、触ってみると実はそれはやわらかい毛で、開けてみると、外からは想像もつかない、あっと驚く魅力的な実が飛び出す、というタイプの人もいそうです。

いろいろ連想が尽きませんが、このへんで。
写真は、ランブータン。
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