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「夢分析セミナー」(ユング)

ユングがチューリヒで行った「夢分析セミナー」(1928年)の記録(「夢分析」人文書院)より、ユングのことばを引用してご紹介します。

夢分析は精神分析の中心問題です。というのも、これこそ無意識への道をひらく最も重要な手法だからです。精神分析の眼目は無意識からのメッセージを得るところにあります。

分析家が、自分の無知を認めることがきわめて重要です。そうして初めて、分析家もクライアントも、不偏不党の自然的事実、科学的現実を受け入れる用意ができるのです。個人的な意見は、多かれ少なかれ恣意的な判断でしかなく、完全に間違っているかもしれない。正しいという保証はありません。ですから私たちは、夢が提供する事実を探し求める必要があるのです。夢は客観的事実であり、私たちの期待に応じて現れるものではなく、私たちが作りだしたものでもありません。

私たちの夢は、意識に対して独特の自律性を示します。そして夢が比類のない価値をもつのは、それが私たちをけっして欺かないからです。しかし、夢の意味を読み取るのは簡単ではありません。夢という事実の不偏不党性には疑いがないのですが、その読み方になると議論の余地はおおいにあるわけで、いくつかの立場、たとえばフロイト派の夢解釈などが出てきます。

※ユングは、フロイト派の夢解釈とは、立場を異にしていました。フロイトのやり方に反論したというよりも、フロイトのようにはっきりした型におさめないのが、ユングのやり方といえると思います。

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