2016年4月15日、中国で「不気味なほど本物っぽい」と評判のロボット、ジアジア嬢のお披露目があったというニュースです。このロボットは、人間と会話でき、話すときの口の動きや、周囲を見回す視線までが、本物そっくり。カメラを向けると、ポーズをとったり、「あんまり近寄らないで。太って見えちゃうから。」などと言います。開発チームの今後の課題は、ロボットを笑わせたり泣かせたりすることや、まだマネキンっぽい手をもっと本物らしくすることだそうです。
美人ロボットの動画を見ていると、「本物の女性より、こっちがいい」と思う男性が少なからずいるだろうなぁと思わされます。
マツコロイドも思い出しました。それまでその存在を知らずに、日本帰国時にテレビを観たら出ていて、「これって何者?」と、ぎょっとするやら困惑するやらでした。
ところで、マツコロイド(2014年12月誕生)の生みの親、石黒浩氏はこう言っています。
そもそも、人間は人間の汚い部分が嫌いで、むしろ「非人間」に憧れています。例えばアイドルに対し、人間の汚い部分をそぎ落とした“人形”のような存在を望みがちですよね。そう考えれば、アンドロイド(人間型ロボット、人造人間)はまさに非人間であり、いわば“人間が憧れる”進化のゴールかもしれません。
(http://dentsu-ho.com/articles/3244より抜粋。)
「人間の汚い部分をそぎ落とした人形のような存在を望みがち」なのは、アイドルに対してだけでなく、ふだんの人間関係にもそういう面が往々にしてあります。恋愛しているときの相手は、「わたしを幸せにしてくれる理想の王子様!」だったり、「長い間、探し求めていた自分の分身!」だったりしますし、男性は、「いつも微笑んでいて、愚痴など言わず、おいしい料理を作ってくれる優しい妻」を望んでいることもあるでしょうが、それらのどれもが「非人間」といえなくもありません。
「人間の汚い部分」によって、嫌な思いをさせられたり、傷つけられたくない。自分も人を傷つけたくないと誰でも思いますが、一方では、その汚い部分を避けないで、生身(なまみ)の人間同士の関係を築いていくことに人間として生まれてきた意味もあるのだろうとも思います。
中国には、がんを宣告された28歳のイケメン男性が、死ぬ前に結婚したいけど、人間と結婚してしまうと将来相手を傷つけるだけだということで「とてもリアルにできていて、夜の相手もする人形」と結婚したという実話があるそうです。
これが、その結婚式の写真です。
(詳しくは、こちらをご覧ください。http://www.yukawanet.com/archives/4964307.html)
いろいろ考えさせられますね。
最後になりましたが、今回のお題、ジアジア嬢お披露目のニュース動画です。
英文のニュースソースはこちら。http://www.engadget.com/2016/04/17/jia-jia-robot/