BTS(防弾少年団)は、2013年にデビューした韓国のヒップホップグループで、メンバーは1992年〜1997年生まれ、現在21歳から26歳のイケメン男子7人。日本では、原爆Tシャツなどで騒ぎも起こしたそうですが、今、世界で大ブレイクしているこの若者のグループが、中年の心理学といわれるユング心理学を宣伝してくれています。
詳しくは、前のブログページ、2019年4月19日付のBBCニュース(翻訳)を見ていただきたいのですが、BTSがユング心理学をテーマにしたアルバムを発表し(2019年4月12日)、それが全米ヒットチャートのナンバーワンを記録(2019年4月27日)したために、ついでにユング心理学にもスポットライトが当たっているのです。
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BTSは、ユング・ラバーズ(Jung lovers)!
BBC記者がユング・ラバーズ(Jung lovers)と称したBTSの最新アルバムのタイトル、”MAP OF THE SOUL : PERSONA”は、ユング派分析家、マレイ・スタインの著書、”Jung’s Map of the Soul”(邦題「ユング、心の地図」(青土社))に由来し、副題のペルソナもユング用語なら、アルバムの内容もユング心理学そのもののようです。
著者のユング派分析家スタインは便乗出版。
BBCからの取材依頼に加え、BTSのファンからの問い合わせも殺到しているという著者スタインは、スイスのISAP国際分析心理研究所に所属するアメリカ人。75歳にして人生で予想もしなかったKポップの洗礼を受けながら、驚きとともに嬉しい悲鳴をあげながら、この騒動を楽しんでいるようで、早速、”Map of the Soul – Persona: Our Many Faces“を出版しています。
BTSがスタインの著書のタイトルをアルバムに採用→スタインが、BTSのアルバムの副題を加えた著書を出版、という逆輸入ですが、仕事が早いですね。
青土社もMap of the Soulの邦訳版を復刻版として再販開始。
BTSのアルバム”Map of the Soul”が売り上げを伸ばすのに伴い、スタインの”Jung’s Map of the Soul”も英語版が売り切れになるほどで、20年前に同書の邦訳版「ユング、心の地図」)を出版した青土社もすかさず、すでに絶版になっていたこの本を、新装版として売り出しました。(2019年4月25日)
「BTS(防弾少年団)のニューアルバムのコンセプトになったことで再び注目を浴びた名著、 待望の復刊。」
という謳い文句つきです。
2019年5月4日現在、アマゾンのカスタマーレビューがまだゼロのこの本、はたしてどのぐらい売れるのでしょうか。ちなみにわたしの手元にある初版本の方は、カスタマーレビューがゼロのまま絶版になりましたから、きっと赤字出版物だったに違いありません。
「ユング 心の地図 新装版(マレイ・スタイン著、入江良平訳)」:ユングの著作を丹念にたどり、その理論の根底にある深いヴィジョンの統一性を明かす格好の入門書
ユング心理学へのBTS効果は、期待できない気がするが・・・。
同世代のクライアントさんで「BTSのダンスがかっこよくてハマっている。暇さえあればYoutubeを観ている。」という人もいるのですが、なんせヒップホップ、ラップですから、50も越えたわたしにはハードルが高く、BTSという名前すら、アルファベットの順番がなかなか覚えられません。(Bang Tan Sonyeodan、韓国語でバンタン・ソニョンダンという頭文字をとってBTSだそうです。)
Youtube動画の若々しいコメント欄を見ても、この人たちがスタインの「ユング 心の地図」を面白がって読んでくれるとは、ちょっと想像つかないのが正直なところです。(笑)
●かっこよすぎて倒れるかと思った。
●さすが我が推しナムさん、イケメンすぎる。
●最近なんかナム期きてる♡🐨
●なむさん、かっこよすぎて発狂してました。
●髪の色でもうきゃー(〃∀〃)ってなった。
●これめっちゃストライクって感じ! 聴いた瞬間 これだ…ってなった。言葉に表せないカッコ良さ。
●なむさんのラップめっちゃ好き!!実を言うと凄すぎてポカーンってなった。
●なむさんのラップ、やっぱり内容が難しい🤔💭💦
‘Persona’ Comeback Trailerより
★若者ことば辞典★
「さすが我が推しナムさん」の「推し」はてっきり誤字だと思い、タイプし直そうかと思っていたが、何度も出てくるのでググってみたらあった!
「一推しのメンバーを意味する略語、“推しメン”をさらに略したもの。 アイドル等のグループ内において、最も応援しているメンバーのことを指す。」(Numanより)
BTSリーダー、キム・ナムジュン
「なむさん」ことグループのリーダー、キム・ナムジュン、
独学でTOEIC900点を取り、また高校生の時にはIQが148あった。大学修学能力試験(日本のセンター試験に相当)の模擬試験では上位1%に入ったこともあるグループきっての頭脳派。
ウィキペディアより
なんだそうです。BBCニュースによると、BTSがこのアルバムで扱っている心理学的、哲学的テーマはポップ・ミュージック界では珍しいとのことですが、この賢い「なむさん」が、若くして、中年の心理学に関心を持ったのかもしれませんね。