「シンボル事典」は、夢分析のときだけに限らずユング派分析家の必携書である。イメージの心理学ともいわれるユング心理学で、「シンボル」の重要性はどんなに強調しても強調しすぎることはない。
わたしが留学していた頃のスイスのユング研究所で、押しも押されぬシンボル事典の名著として知られていたのが1974年に初版が出たコレだった。
しかし、この本は、留学中の約20年前でも3万円ぐらい出さないと手に入らなかったので、ユング研究所の図書館の本を一冊丸々全部コピーして製本したものが今、手元にある。
そ、それがですね。今、アマゾンで検索してみたら、”たったの”8,800円で日本語翻訳版が買えるではありませんか!
動揺のあまり、文体に統一感がなくてすみません。
アト・ド・フリース(Ad de Vries)著のイメージ・シンボル事典 (1984年邦訳版)」
内容に大満足です。後発の関連書籍の元となる内容なので、シンボル事典はこれ一冊で良いかと思います。
創作の補助に役立てています。物語を映像化する際に、小道具として出したものの意味を引いてみれば、その小道具に込められる新たな発見があります。
かなり高額な本ではありますが、ヨーロッパの建築や絵画、陶磁器などの図像を読み解くのに大変便利な1冊です。
ちなみに元の英語版の方は、今でもやはりまぼろし価格で、アマゾンUSAで2004年版の中古が722ドル、約76,000円なり。(アマゾンジャパンでは中古で約3万5千円。アマゾンUSAでは入手不可能な1984年版はアマゾンジャパンの中古で約5万円。)
やっぱり1984年版のこの書体が、なじみがあっていいんですよねぇ。
「人畜無害なロバより、親愛なるイシスへ愛をこめて」と書いてあるので、この表紙絵のロバは著者自身のシンボルのようです。みなさんご自身のシンボルはなんですか?