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落とし穴の詩

「自分の内面と向き合う」といっても、具体的にはなかなかイメージしにくいものですが、アメリカのユング派分析家、ジェームス・ホリスは、「自分の内側を見つめることによって起きる変化がユーモラスに表現されている」として、以下の詩を紹介しています。精神分析や夢分析のご経験のある方にはうなずけるイメージではないでしょうか。
(無名詩人による「五つの短い章にまとめられた自伝」、「ミドル・パッセージ―生きる意味の再発見」より引用)

1
通りを歩く
歩道に深い穴が口を開けていて
わたしは落ちる
途方に暮れてしまい、なすすべがない
わたしが悪いわけじゃない
どうやって出ればいいのか、見当もつかない。

2
同じ通りを歩く
歩道に深い穴が口を開けていて
わたしはそれを見ないふりをする
また落ちる
前と同じところにいるなんて信じられない
でも、わたしが悪いわけじゃない
脱け出すのにまだ長い時間がかかる。

3
同じ通りを歩く
歩道に深い穴が口を開けていて
わたしはそれがそこにあるのを確認する
それでも落ちる・・・癖みたいなものだ・・・でも、
目はしっかり開いていて
自分がどこにいるのかはわかっている
わたしのせいだ
今度はすぐに脱け出す

4
同じ通りを歩く
歩道に深い穴が口を開けていて
わたしはそれを避けて通る

5
別の通りを歩く

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