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イソップ物語「ろばを売りに行く親子」:他人の意見は聞くべからず

仕事中に話に出てきたイソップ寓話。トヨタ自動車の社長、豊田章男はロバを引く親子に意見する人をマスメディアになぞらえて批判した。(1,000文字)

「ロバの親子」「ろばうりおやこ」などの邦題もあるが、「ろばを売りにいく親子」の和訳は、川端康成による。(トッパンの絵物語シリーズ「イソップ2」1953年)英語では「The Miller, His Son and Their Ass」「The Miller, His Son and The Donkey」。

「ろばを売りに行く親子」あらすじ

ロバを飼っていた父親と息子が、そのロバを売りに行くため、市場へ出かけた。2人でロバを引いて歩いていると、それを見た人が言う、「せっかくロバを連れているのに、乗りもせずに歩いているなんてもったいないことだ」。なるほどと思い、父親は息子をロバに乗せる。

しばらく行くと別の人がこれを見て、「元気な若者が楽をして親を歩かせるなんて、ひどいじゃないか」と言うので、なるほどと、今度は父親がロバにまたがり、息子が引いて歩いた。

また別の者が見て、「自分だけ楽をして子供を歩かせるとは、悪い親だ。いっしょにロバに乗ればいいだろう」と言った。それはそうだと、2人でロバに乗って行く。

するとまた、「2人も乗るなんて、重くてロバがかわいそうだ。もっと楽にしてやればどうか」と言う者がいる。それではと、父親と息子は、こうすれば楽になるだろうと、ちょうど狩りの獲物を運ぶように、1本の棒にロバの両足をくくりつけて吊り上げ、2人で担いで歩く。

しかし、不自然な姿勢を嫌がったロバが暴れだした。不運にもそこは橋の上であった。暴れたロバは川に落ちて流されて死んでしまった。

(※子供ではなく妻のバージョンもある。)

道徳教材として

この寓話は、日本の小学校(3、4年生)向けの道徳教材として使用され、「周囲の意見に流されない、自主や自律の大切さ」「節度や節制」を学ばせるための教材として利用されている。

トヨタ自動車社長のマスメディア批判

トヨタ自動車の株主総会(2020年6月11日)で、社長の豊田章男が質疑応答の場面でこの話を引用し、ロバを引く親子に意見する人をマスメディアになぞらえ、

「要は『言論の自由』という名のもとに、何をやっても(取材対象が)批判されるということだと思います。最近のメディアを見ておりますと『何がニュースかは自分たちが決める』という傲慢さを感じずにはいられません。」

とマスメディアの報道姿勢を批判した。

豊田氏が、最近のメディアに対して「何がニュースかは自分たちが決めるという傲慢さを感じる」という発言にスカッとしました!

※出典:ウィキペディア

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