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HSP:敏感すぎて傷つきやすい人たち The Highly Sensitive Person

最近、日本でもよく耳にするようになったHSP(The Highly Sensitive Person)。エレイン・アーロン(Elaine Aron)が、1996年に出版した本で提唱したのが最初で、これがベストセラーとなり知られるようになった。アーロンは、アメリカの心理学者で、サンフランシスコのユング研究所で研修を受けたこともある。

ハイリー・センシティブ・パーソンとは

ハイリー・センシティブ・パーソン(Highly sensitive person, HSP)とは、生まれつき高い感受性を持つ人のこと。生理的にも、大きな音、まぶしい光、強い匂いのような刺激に対して敏感であるが、心理的に、ささいな物事に対して過敏・過剰に反応してしまう。豊かで複雑な内的生活を持っているのが特徴。

HSP診断テスト

HSP提唱者のアーロンのウェブサイトに、具体的にどういう人がHSPなのかイメージのできるチェックリストの日本語版が公開されている。「美術や音楽に深く心動かされる」、「時々神経が擦り切れたように感じ、一人になりたくなる。」、「人が何かで不快な思いをしている時、どうすれば快適になるかすぐに気づく(たとえば電灯の明るさを調節したり、席を替えるなど)」などの25項目。

HSP自己診断チェックリストはこちら

以下の子供用のリストも、子供のためだけではなく、自分のために参考になる。「親の気持ちをよく察する。」、「優れたユーモアのセンスをもっている。」「直感力が優れている。」など、HSPの人には思い当たる項目が並んでいる。

お子さん用のHSCチェックリストはこちら

※HSCは、ハイリー・センシティブ・チャイルド(Highly Sensitive Child)の略。

HSPは病気ではない。

感受性の強さや過敏性により、周囲から「気にしすぎる」とか「神経質」などと言われることが多いので、HSPは、自分を普通とは違うと感じて低い自尊心を持ってしまいがちだが、アーロンは、これは、男女問わず人口の15〜20パーセントもの高確率で見られる特性であると言っている。

HSPは感覚データを深く、徹底的に処理する。

HSPは感覚データを通常よりはるかに深く、かつ徹底的に処理する。つまり、他の人より深く情報を処理し、それについてより深く考えるため、他の人たちよりも微妙なことによく気がつく。これは長所とも言うべき性質である。

HSPは生きづらい。

がしかし、あらゆることによく気がつくHSPは、敏感なだけに周りに起こる出来事に圧倒されてしまう。周囲の微妙な変化に気づいたり、他の人には気にならない程度の感覚刺激にもすぐ反応してしまうため、消費するエネルギーもそれだけ多く、疲れやすさや生きづらさも感じやすい。またこの特徴をもつ子ども(Higly Sensitive Child, HSC)を持つと、親はその子どもを育てにくいと感じる。

過敏で傷つきやすい一方で、複雑で豊かな内的世界をもつHTPは、自身のその特性を自覚し、人より高い感受性がより豊かな人生につながる要素だと肯定的に認識した上で、少しでも生きづらさを和らげていくことを目指す!
HSC(ハイリー・センシティブ・チャイルド)を持った親も、その子の高い感受性を肯定的に捉え、理解することで、双方のストレスが軽減される。

※参考:ウィキペディアアーロンの日本語サイト

HSP関連本

100万部売れた英語版オリジナル

The Highly Sensitive Person: How to Thrive When the World Overwhelms You」(「ハイリー・センシティブ・パーソン:周りに圧倒されながら、どう生き抜くか」)は、13年前、まだユング研究所でトレーニング中だった時に購入した本。今、パラパラめくってみると、前書きの「わたしのこと(About Myself)」に、こう書いてある。(以下、拙訳。)

心理学の研究者、大学の教授、サイコセラピスト、作家、という肩書きを持ったわたしですが、それよりもっと大切なのは、わたし自身が、あなたと同じHSPであるということです。わたしは、決して、上から目線でこの本を書いたのではありません。

英語版オリジナルの翻訳本

ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ。 (SB文庫)」(翻訳がよくない、という声も多いが、どれほどよくないかは不明。)

今までの生きづらかった人生の答えがありました。
読んでいる内に、感情が溢れて涙も出るので、一気に読み進めたりは出来ません。
ですが、出会いたかったものに出会って、苦しいけれど、安堵感でいっぱいです。

気にしすぎだ、クヨクヨしすぎだ、自意識過剰だとどれだけ言われて育ったか、言われる度にひどく突き刺さり、血へどを吐くように傷付いていたけど、じっと堪えて生きて来たし、あらゆるモノに今もなお我慢しているし

生きてるだけで辛いなんて、考えた事ない人ばっかりなのは、うすうす感じてましたが、言ったところで理解してはもらえません

ずっと自分を責めて来ました
そう言われて来ましたから
それを悪くないと書いてあるんです
救いの本です
(アマゾンレビューより)

アーロンがHSC(ハイリー・センシティブ・チャイルド)について書いた本の翻訳本

ひといちばい敏感な子」は、HSCの教科書的な本。

子どもが該当すると思って購入しました。
これを読んで、今まで途方にくれていたこと子供の言動が理解できるようになり、
以前より良い関係に慣れたと思います。
定期的に読み返して、日々の子育てに役立てています。
非常におすすめです。
(アマゾンレビューより)

HPS提唱者アーロンの本ではないが・・・

著者はアーロンではないが、タイトルがいいし、この本が参考になったという人が多いようなので紹介。「鈍感な世界に生きる 敏感な人たち」(原題:Highly Sensitive People in an Insensitive World: How to Create a Happy Life)

小さい時から生きにくい自分。
でも、厳しい母の下、泣き言は許されず55までずっと人知れず悩んでいました。
それが!
これだ!これだから生きにくかったんだ、と納得。
心の整理がつき、生きる気力がでてきました。

状況はかわらないけど、気持ちは別人になりました。
(アマゾンレビューより)

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