投影 projection

ユングの投影に関するアプローチは精神分析を基盤としている。

人格の受け入れがたい部分や困難な情動は、主体の外にある人やものに位置付けられ、問題となる内容がコントロールされる。

分析心理学では、内的世界の内容を自我意識に利用可能なものにする手段としても投影を強調する。つまり、自我とそのような無意識的内容との出会いに価値があるという前提が、分析心理学にある。外的世界の人やものが投影を通じて活性化できる素材を提供し、内的世界に奉仕する。

何か価値あるものを獲得するためには、投影を再統合すること、再収拾することが必要である。

「ユング心理学辞典」より

投影を再統合することは「投影の引き戻し」とも呼ばれる。『ユング心理学における投影と再結合』の中で、マリー‐ルイーゼ・フォンフランツは、投影の五段階を示している。

  • 第1段階:自分の内で起きている(つまり、無意識の)経験を、完全に外部のものだと信じこんでいる。

  • 第2段階:現実と、投影されたイメージとのずれに少しずつ気づきはじめる(たとえば、恋愛から冷める経験)。

  • 第3段階:この不一致を認めざるをえなくなる。

  • 第4段階:最初の時点で何かが間違っていた、という結論に達する。

  • 第5段階:自分の内部にある、投影したエネルギーの源を探さなければならなくなる。この最後の段階は、その投影の意味を探求することであり、そこにはつねに、より深い自己認識のための探求が含まれている。
    「ミドル・パッセージ」より)

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