「内向的な人」と「外向的な人」という性格の分け方をすることがありますが、これもユングの言葉です。ユングはこれを「世界に対する基本的な態度の違い」だと説明しました。一般に、活発で人付き合いがよい「外向的な人」の方が肯定的に評価されることが多く、「内向的な人」は、人付き合いがうまくない、愛想がない、といったやや否定的なイメージで捉えられることが多いのですが、ユングの理論によると、「内向的な人」は、自分の内界のあり方によって活性化させられ、エネルギーが補充されるので、「外向的な人」のように、他者や外界と関わる必要がないわけです。したがって、「内向的な人」は、外界と関わるのはあまり得意ではない反面、豊かな内界を持っているともいえます。
実際は、どんな人も「内向的な部分」と「外向的な部分」を持っています。あまりにもどちらかの面ばかりに偏りすぎてしまうと、心の内部に不調和が起きてしまいますので、ユング派の分析では、各人の個性に無理のない形で、両者のバランスを保つことを目差します。