老いや死は、通常否定的なものと捉えられがちですが、ユングは人の成長は生涯続くものだと考えました。
我々は上昇していく人生に対して目的や方向性を与えるが、下降していく人生にもそうすべきではないだろうか。人の誕生が意味を宿すものなら、死もそうであってもいいはずだ。
カール・グスタフ・ユング
老いや死に向き合うワークでは、以下のようなことに焦点が当てられます。
●現実的なところでは、たとえば遺書はどうするか、後見人は誰にするか、お墓はどのようにしてどのように葬られたいか等々を前もって準備すること。
●感情的に蓋を閉めたままになっていることはないか、家族や友人や他者との関係を見つめ直したり、自分にとって何が重要で、何が重要でないかを確認すること。
●自分の人生を振り返りながら、生と死について真摯に考えてみることで、自分の死の意味を見出すこと。
●生の神秘や死の神秘を直観的に味わいながら、自分自身の生の神秘を創造的に認識すること。(もし夢を覚えていられたらとても参考になります。)
以上の4点は、ユングがタイプ論で述べた感覚・感情・思考・直観という心の4機能に対応しており、こうした作業は個性化の大きな助けとなります。
※個性化については、こちらをお読みください。